転職活動に専念すれば成功するとは限らない
目の前にある業務を日々こなしつつ転職求人をコツコツ探し、自己分析と企業分析、履歴書や職務経歴書などの書類作成に面接準備と、在職中の転職活動はとても忙しいものなので、活動に専念するためのまとまった時間が欲しいと思うのは自然なことです。仕事が終わった後や休日だけでは時間が足りず、転職活動が思ったように進まないことにストレスを感じはじめると、いっそのこと退職して転職に専念したほうが効率的だと思えることもあるでしょう。しかし、転職先が決まらない状態で退職することには様々なリスクがあります。実際、転職がうまくいかない人の特徴に内定前に退職してしまうという点があります。それで転職成功する人がいることも事実ですが、確実に前へ進みたいのであれば、内定前の退職が自分にとって本当に良いことなのかどうかよく考えてみるべきです。
内定前に退職をするリスクとは
転職先が決まらないまま退職をすれば、まず収入源がなくなるリスクがあります。無職の期間中の生活に困らないほどの蓄えがあれば当面困ることはないのかもしれませんが、離職期間が長くなると即戦力として第一線で活躍できなくなるリスクもあります。職種によっては少しのブランクが命取りになることもあるため、よほどの事情がない限り内定前の退職はおすすめできません。猶予があるとすれば3ヶ月から6ヶ月、企業によっては6ヶ月から1年、それ以上になると離職期間が長くなっている理由がシビアに問われます。特に理由もなく1年以上離職状態が続いているならば、本人に何らかの問題があるのだろうと推察されてしまい、さらに転職が難しくなるという負のスパイラルに陥る可能性もあります。
社内評価と転職市場の評価は違う
社内での評価も年収も高い人がそのまま同じ条件で転職できる保証は全くありません。転職で失敗しやすい人は、客観的な自分の人材価値を把握できていないことが多く、転職活動をはじめてみたものの、社内での評価と転職市場での評価があまりにも違うことに戸惑う人は多いものです。学歴や職歴、経験やスキルにどれだけ自信があるとしても、転職活動をすればすぐに次が決まるだろうと過信してしまうのはとても危険なことです。同じ職種でも企業によって欲しい人材像は異なるため、ある企業にとっては優秀な人材でも、他の企業のニーズに合わなければ採用されることはないでしょう。転職市場における数年の違いはとても大きなものです。数年前に転職を試みた際に多くの企業からオファーがあったことが自信の根拠となっているならば、数年後の今はその頃と全く条件が異なっているということも認める必要があるでしょう。
